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November 22, 2011

「あの花BD最終巻発売記念イベント」に参加してきた ~前編~

このレビューはWillVii株式会社の企画に参加し、掲載しています。なおこの記事の掲載によるブロガーへの金銭報酬は一切なく、本文章の掲載以外に記事への関与も受けていません。
「大人のアニメ鑑賞会 あの花BD最終巻発売記念イベント」に参加させていただきました。

「あの花」の正式タイトルは「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」。今年の4月~6月に全11話放送され、「今年一番のアニメ」と一躍人気を博しました。私も大ファンになり放送直後に「S評価、殿堂入り」と採点しました。
その「あの花」の限定イベント、しかも長井龍雪監督、田中将賀キャラクターデザイン・総作画監督、那須信司撮影・CG監督も参加されてお話を伺える、とあれば断る理由がありません(苦笑)。

Pb192132(C)ANOHANA PROJECT

鑑賞会は、1~2人にソニーの55インチ液晶TVが1台ずつあてがわれ、音声はハイエンドヘッドホンで、という贅沢な環境で行われました。液晶TVそのものについては後編でじっくり書きますが、薄暗くした部屋で55インチ画面を約2mの距離で観たため、映画館で観ているかのようでした(褒めすぎ?)。

最終11話の鑑賞前後に司会の方の進行によるゲストのお三方のトークセッションがあり、我々参加者も直接質問をすることができました。以下、いくつかの話題を紹介します。

Staff

まず簡単にそれぞれの役職・役割についての紹介から。

長井龍雪 監督 (写真右): 作品全体の「いろいろなもの」をまとめて、最終的な作品にする。
田中将賀 キャラクターデザイン・総作画監督 (中央) : キャラクタを起こして外見・造形を設定し、映像を作っていく。
那須信司 撮影・CG監督 (左) : 背景と素材(キャラクタ等)の合成、およびエフェクト付けなど映像を仕上げる。

続いて司会の方が振った話題・質問に対する回答は下記のような感じです。
意訳メモから起こしていますので、このまま発言されたという意味ではありませんのでご注意ください。発言者を間違えてメモしているかもしれません。(以下敬称略)

・「ファンタジーとリアル」

-- アニメ作品ではあるが、幽霊以外では「あり得ない」と思うような誇張表現がない。
長井 : 「幽霊」という大嘘をついた以外はなるべくウソがないようリアルにした。脚本の岡田さんの意向もあり、違和感のない耳なじみのあるものを採用した。実在の風景(秩父)、「カントリーマアム」等実在の商品名(許諾が取れたもの)、等々。
-- 映像面も大人の視聴に耐えられるぐらいにリアルだった。
田中 : 「アニメアニメ」したものではなく背景に合うように、キャラ造形をリアル寄りにした。
那須 : 時間帯による環境の変化、太陽の日差しによる変化や夜のシーンでの見え方等にとくに気を配った。
長井 : 今までで一番、撮影チームと密接に相談して作った。一番ユーザ(視聴者)に近いところなのでこだわった。
那須 : 試写でスクリーンで観る以外にも複数種の家庭用TVで映してみてどう見えるかチェックした。
-- 小物もマグカップが実際に売られているものだったりしている。
田中 : マグカップのデザイン時に、参考にしたアマゾンの写真を無許諾でそのまま使用してしまった。突然売り切れたりしたそうでご迷惑をおかけした(苦笑)。

・「走りまくり」

-- 走るシーンが多い。
長井 : 「青春もの」は走るだろ、と(笑)。描くのは難しいけども。
田中 : たしかに難しいが、1話での走るシーンがうまく行ったので行けるだろうと思った。各キャラそれぞれ走らせ方に気をつけた。めんまの特徴的なフォーム(?)や、毎日走り込んでるゆきあつ等。
-- 走ると背景も動く。
那須 : フリッカー(カクカク動いて見える)対策や効果的に見せるために、ブラー等の効果をかけたり、対象物を置くなどして見せ方を工夫した。

・「花の願い、タイトルロゴの秘密」

-- タイトルロゴ等、よくワスレナグサが使われている。花言葉は「真実の愛」「私を忘れないで下さい」。狙ったもの ?
長井 : そうだと思います(笑)。ネットでの評判でそう書かれて「へぇ」と。そこまで深くは考えていなかった。
田中 : 5枚の花びらは別に5人の(現在の)メンバーを表しているわけではなく、デザイナが起こしてきたデザインを気に入っただけのもの。
長井 : 最初に花が決まって、そこからロゴを組み立てました。タイトルがすごく長いので、ロゴに収めるのに苦労しました。斜め読みすると「あのはな」になるようにしたりとか。
田中 : 一応斜めに囲ってあるんですよ。だから正確には略称は「あの花」じゃなくてかなで「あのはな」かな、と。

Anohana_logo(C)ANOHANA PROJECT

・「泣きまくり」

-- 毎回誰かしら泣いてました。観ている我々も泣きました。
田中 : 作為的な「泣き」にならないように、勝手に涙があふれ出ているように表現しました。
長井 : 「さあ泣いてください」的な見せ方は避けた。脚本が既に泣けるものだったので素直に乗っかっていった。

・「アニメ怖い」

-- 脚本の岡田磨里さんが「アニメの怖いところは登場人物の発言が全て本当になってしまうこと」と発言されている。
長井 : アニメは全てをコントロールでき、不確定要素がない。完成したものを観たときに意図していない解釈をされないように気をつけて様々なものを配置した。

・参加者からの質問

-- じんたんが毎回変なTシャツを着ている
田中 : 基本的には僕が(笑)。
-- シナリオから指定されている ?
田中 : そのときのテンションとか、スタッフに面白い言葉を募ったりとか。なるべく簡素で描きやすいものを採用した。
-- 最終回の「真心」は狙ったもの ?
田中 : 狙ってました。
-- キービジュアルの「地底人」は引きこもってるじんたんにかけて ?
田中 : そうですね、引きこもりから連想して。
最初に「地底人」を着させた後、「毎回変わる ?」という話が上がって、「変えるけど ?」と答えてしまって変えざるを得なくなって。自分でハードルを上げてしまいました。

-- 皆さんは「きのこ」と「たけのこ」とどちら派 ?
三人 : (一瞬きょとんとして、理解した田中さんが2人に説明する)
長井 : たけのこですね。
田中 : たけのこです。
那須 : まあ、たけのこですね。

注 : めんま役の茅野さんがwebラジオで最初に話題にしていたもの。

-- 主に前半、ゲーム画面やゲームショップがよく出ていましたが、こだわった点や苦労したところなどは。
長井 : いわゆる「ドット絵」的な処理は撮影チームの方が。ゲームのエフェクトとかも。
那須 : 自分自身はゲームしないが、スタッフにゲームに詳しい人がいるので任せたら良いものが出てきた。
長井 : こだわりが半端なかった。
田中 : パッケージデザインは専門のデザイナーさんにお願いして、クオリティが高いものを作ってもらった。もったいない(笑)。
長井 : むしろアレ(のけぞりモンスター)を商品化した方がいいんじゃないかと(笑)。

-- (同監督の過去作品)「とらドラ !」で広角レンズで映したようなインパクトのある映像があった。雑誌のインタビューで「頭をよく見せたいから」とあった。今回はどうだったか。
長井 : いつも、むしろ日本映画っぽくフラットな感じで作ろうとはしているが、だんだん離れてしまう。今回は「あまり奇をてらわない」というのが最初にあって、なるべくフラットにはしたつもり。広角的なものだと冒頭の、(じんたんが)ラーメン作っているところにめんまが飛び込んでくるシーンとか、凝った感じにした。
那須 : 長井監督は広角っぽく作りたがるクセがあって、今回も広角っぽく感じている。

-- めんまの服が汚れるシーンがあるが、足が汚れないのは ?
長井 : ドラえもん的な理由が...(笑) 実はたまに汚れている。意識の問題なので「めんまが汚れたいときに汚れている」という仕様になっています(苦笑)。

-- 10月の一挙再放送の時に来年の夏のイベントが発表された。何か情報は。
長井 : 自分もあれを観て「やるんだ !」と驚いたぐらいなので(笑)。

-- 牛乳瓶に差さった花について。
田中 : 1話のときは6輪とも枯れていて、最後は咲いています。
-- それは意識して ?
田中 : そうですね。冒頭の6人の状況等と、最後ちょっと成長して前向きになったみたいなところと。自分がやった的に話しているが、監督がやったことです。

Pb212139「掲載用資料」のCD-Rの文字は、本物の「めんま文字」 !!
普段アニメはよく観ていますが、こうしてアニメのスタッフさんから直接お話を伺う機会というのはなかなかありません。様々なことを掘り下げて、いつまでもいろいろと聞き出していたいぐらいでした。
今回はとても良い機会をいただけたことをWillViiさまには感謝いたします。

後編は、今回の鑑賞会に使用した液晶TV、ブラビアの紹介です。

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